綺麗事だけじゃ救えない
誰かを救えば誰かは
それぞれの正義が食い違った時
我々の世界(現実)と『超伝神トライブレイバー』世界の狭間にあるとある場所。
そこに麻幌郷里*1と、彼女により呼び出された高座水槌*2がいた。
二人は何のためにここに集まったのか――。
【水槌】
どうしたの? こんなところにあたしだけ呼び出して。
……もしかして、いい加減決着をつけるためにタイマンしたいとか?
【郷里】
お前は私を昭和の番長とでも思っているのか? もう令和だぞ。
まあ、いい。
それより、我々をライバル視していたあの冥彩騎士*3とかいうヤツのブログだが。
これを見てくれ。
清掃活動についての内容のようだが。
一方で「怒りや憎しみを燃やして世界を破壊する」と言ったことが書いてある。
【水槌】
ああそれか。それは知っているけど。
何? あたしと二人で止めようとか?
【郷里】
だったらお前だけを呼び出したりはしない。
というよりは私はこいつのいう事にも一理あると思っている。
そして、お前にはそれが理解できるともな。
【水槌】
ん……まあ、確かに。さっきのブログの内容は。
結局この世では誰かが助かればだれかが犠牲になる事があって。
だけど犠牲になった人に対して、世の中は「自己責任」とかいって切り捨てる。
とか、そっち系の話なんだとは思うけど。
【郷里】
そう。
で、そういう話題が理解できるのは私以外だとお前くらいだ。
郷は結局は理想というか。
さっきのブログで言う「良い子ぶった〈正義の味方〉」に近い価値観になるだろうしな。
【水槌】
そうかなぁ? あの戦いで郷君も「どっちをとっても誰かが犠牲に」ってのは思い知ったとは思うし。*4
それに郷君は兎も角。例えばくーちゃん*5とかは。
結構、読書家だからそういうシビアというか現実味のある話も理解できるよ?
【郷里】
そうなのか? 私はあの子とはあまり関わり合いが無いから良く知らないが。
兎も角、この件に関してあまり郷は関わらせない方が良くないかと思うのだが?
【水槌】
そうだねぇ……郷君からしたら善意の言動が、あちらさんには不快かもしれないし。
で、今回わざわざあたしだけを呼んだと。敵視しているのに。
【郷里】
敵視はしていない。
ただ、お前は大事なものの順序を決めたら、高い方のために低い方を切り捨てるから、警戒しているだけだ。
が、そういう面があるからこそ、今回はお前がむしろ信用できるのだが……な。
【水槌】
さとりん*6と敵対していた時間が長かったからこそ、あたしが信用できて。
正義感が強くて優しいからこそ、郷君はこの件においてはあてにできない。
ってのは、随分皮肉な気もするけど……。
【郷里】
さとりんって言うな!! ……じゃなくて、まあ、そういう事だ。
が、一体この先どうするか……。
【窓井】*7
あ、二人ともいいところにいた。
【水槌】
うん? まー君じゃん。 奇遇……じゃなくて、あたしたちを探していた系?
なんか頼みたい事があるとか?
【窓井】
そうそう、実はその。
『トライブレイバー』のこっち側の世界*8での活動を、二人の内どっちかに頼みたい。
という話なんだけど……まあ、それは次回に話そうかな?
なんか二人で長々と話していたみたいだし。
【郷里】
いや、あまりに唐突過ぎるのだけれど。
というか作品としての『トライブレイバー』の主役は郷だろう?
その辺りはどうなるんだ?
【窓井】
うん、そういうあたりの話も含めて、次回ってことで。
それじゃあ、よろしく!!
(この記事でブログ管理人と対談している麻幌郷里、髙座水槌は架空の人物です。また『超伝神トライブレイバー』は窓井来足が制作している作品です)
*1:まほろさとり。実際には偽名だがとある事情でこの名前が定着している。作中ではライバルヒーローポジションの女性。
*2:たかくらみづち。境川の神にして蛇の神。ついでにオタクなおねーさん。一応ヒロインポジションだが……。
*3:めいさいナイト。『トライブレイバー』とは別の物語のヒーロー。現在は両方とも我々の世界(現実)に来ている(という設定)
*4:このブログは時系列には小説版終了後なので、その一連の戦いの事。
*5:桑林識句。カイコガなどの能力を持つ怪人に変身できる女子高生。昆虫などの動物好きでアウトドアもできる文学少女。
*6:郷里の事。そもそも彼女は登場時「麻幌さとり」という名称を名乗っていたので漢字表記よりひらがな表記の方が水槌的には馴染みがあるとか。
*7:窓井来足。このブログの管理者にして『トライブレイバー』の作者。