とりあえず学校を調査?
『学園ブレイバー』第5話
主人公は誰だ!
【店屋郷】*1
で、前回の記事で先生が教室から出ていったわけだが。
……この茶番まだ続ける必要性があるのか?
【麻幌さとり】*2
必要はないのだろうが、簡単にはやめることもできないだろうな。
何せ水槌によって、この世界の〈設定〉が学編ものに書き換えられているのだろうし。
【桑林識句】*3
確かに、私たちが現状〈キャラクター〉という概念である以上。
世界観の設定には影響されてしまうでしょうから。*4
やめたいからといって、やめられるものでもないでしょうね。
【郷】
……じゃあどうやったら、この状況から脱出できるんだよ?
【識句】
そうね……例えば。
水槌先生が何故この世界を作ったのかをはっきりさせて。
それに対する答えを出せばいいんじゃないかしら?
【郷】
答え?
【識句】
この世界が〈物語〉ならば。
水槌先生が納得する展開を持ってくれば終了すると思うのだけれど。
【郷】
うーん? とはいっても。
水槌先生、一体何をしたくてこんな世界を作ったんだ?
だって、あの人特に教師としてやりたい事が見えてこないというか。
【識句】
……思いついたのだけれど。
二手に分かれて校内を探索して、何かヒントを探すのはどうかしら?
とりあえず男女に分かれれば二人ずつになるし。それで。
【郷】
男女で分かれるのか? うーん、別に俺は構わないけど。
でも今時、とりあえず男女でわけるってのはどうなんだよ。
せっかくだから、くじ引きとかでチーム分けしないか?
【識句】
え? そ、それは……。
【さとり】
男女1人ずつのチームだと更衣室とかトイレを調べる際に1人きりになるから。
もし、何かあった際に危ないだろう?
【郷】
ま、まあそうか……っていや。
何かって何だよ?
それに別に俺たちしかいないのにそこに気を遣う必要は――
【葉澄蓮】*5
おいおい、郷君。
こういう何があるかわからない時は一応警戒しておくものだよ?
それにまだ僕たちしかこの学園にいないと決まったわけでもない。
って、事で男子チームは早速調査に行ってくるよ。
【郷】
え? 行くのか?
まあ、師匠がそういうなら仕方がない――それじゃ行ってくるぜ。
☆ ☆ ☆
【さとり】
…………行ったか。
危ないところだったな。
【識句】
くじ引きとか言われたときはどうしようかと思ったわ。
まあ、そうなっても隙をうかがって私が郷さんと離れればいいとはいえ。
あまりこの展開を長引かせるのもどうかと思うし。
【さとり】
しかし、郷のやつはどこまで鈍感なんだ?
ああやってお前と郷を離せたって事は、あそこにいた4人のうち。
郷以外は全員気がついていたって事だろう?
【識句】
そうなるわね……もっとも。
そこまで彼が鈍感だからこそ、この世界が作られたのでしょうけれど。
【さとり】
だろうな……とは言ってみるが。
万が一、お互いに考えている事がズレていたら困るから。
識句、お前はこの世界についてどう判断したか確認したいのだが。
……構わないか?
【識句】
ええ。周囲にこれを言わせると気を遣わせるでしょうから。
私自身が言った方が良いのだと思うのだけれど。
この世界を設定したのは水槌先生でも、その主人公は私で。
ジャンルとしては恋愛もの……って事なのよね。多分。
(この記事はフィクションであり、店屋郷、高座水槌、桑林識句、麻幌さとり、葉澄蓮は架空の人物です)
(第6話はこちら)